鏡を見て「あれ、こんなに輪郭ぼやけてたっけ」と思った瞬間って、ありませんか。私は今年40歳。太ったわけでもないのに、あごの線だけがぼやけてきました。写真を撮られる角度が、だんだん怖くなるあの感じです。

で、調べ始めると必ず二択にぶつかります。ハイフか、糸リフトか。両方とも「切らないたるみ治療」として並んで出てくるのに、説明を読むほど違いが分からなくなる。値段も1回2万円台から10万円超えまでバラバラ。

そこで口コミサイトを全部閉じて、クリニックの公式料金表と国の公表資料だけを突き合わせました。結果、この2つは「効果が出るまでの時間」がまるっきり別物で、しかも男性が引っかかるポイントは女性向け記事とは違う場所にありました。順番に見ていきます。

効き方の時間軸が違う

違いは1行で言える。「じわじわ締める」か「その場で吊る」か

まずここだけ押さえれば、あとの話は全部つながります。ハイフは超音波の熱を皮膚の深いところに当てて、たるんだ土台を縮ませる施術。糸リフトは、細い糸を皮膚の下に入れて、下がった脂肪を物理的に引き上げる施術です。

この違い、湘南美容クリニックの公式ページ(2026年9月7日確認)がはっきり書いていました。『ハイフは徐々にリフトアップ効果が出るのに比べて、糸リフトは皮下組織に糸を挿入することで、物理的に脂肪を引き上げます。そのため、施術直後からリフトアップ効果をすぐに実感いただくことができる治療です』。

つまり、待てるならハイフ、待てないなら糸リフト。ハイフの効果は同院の説明で『約3週間後から実感』『効果のピークは1ヶ月〜2ヶ月後』とされています。一方の糸リフトは施術台から降りた時点でもう変わっている。この時間差が、そのままダウンタイムの差にもなります。

ここまではどのサイトにも書いてあります。問題はこの先。「じゃあ自分はどっち?」を決める材料が、並べて比べた記事が見当たらないんですよね。なので、並べてみました。

ハイフと糸リフトを7項目で並べたら、特徴の違いがはっきりした

以下はすべて、湘南美容クリニックの公式ページ(ウルトラリフトプラスHIFU/糸リフト、いずれも2026年9月7日確認)に書かれている内容をそのまま項目化したものです。金額は税込。

  • 効果が出るまで … ハイフ:約3週間後から実感、ピークは1〜2ヶ月後 / 糸リフト:施術直後から
  • 1回の目安費用 … ハイフ:22,000円〜34,800円(部位による) / 糸リフト:38,400円〜118,400円(4本・糸の種類による通常価格)
  • 施術時間 … ハイフ:30分〜60分程度 / 糸リフト:テスリフトで約30分〜50分
  • 麻酔 … ハイフ:必要なし / 糸リフト:局所麻酔をおこなう
  • 腫れ … ハイフ:『なし※個人差があります』 / 糸リフト:腫れ・痛み・むくみのピークが術後3日ほど、内出血は1週間ほど
  • 次に受ける間隔 … ハイフ:3〜6ヶ月ごと / 糸リフト:糸が吸収されたあともコラーゲンで効果が持続すると説明
  • 生活の制限 … ハイフ:保湿とUVケアを十分に / 糸リフト:入浴は1週間後から、激しいスポーツは1ヶ月後から、大きく口を開ける歯科治療は2ヶ月控える

並べて分かったのは、値段の差より生活の制限の差のほうがデカいということ。ハイフは「保湿してね」で終わるのに、糸リフトは2ヶ月先の歯医者の予定まで関係してきます。……ただその前に、多くの人が最初につまずく「結局いくら?」を確認しましょう。

結局いくら?公式の料金表を並べたら、思ったより差がなかった

私も最初は「糸リフトは高級品」だと思い込んでいました。湘南美容クリニックの公式料金表(2026年9月7日確認・すべて税込)を書き写すと、こうです。

ハイフ(ウルトラリフトプラスHIFU)

  • 頬・あご下(目元除く)410ショット … 22,000円
  • 全顔(あご下・目元含む)650ショット … 28,800円
  • 全顔+首 830ショット … 34,800円
  • 首 180ショット … 19,800円

糸リフト(1本あたりの通常価格)

  • プリマリフト … 9,600円
  • VOVリフト … 18,400円
  • シークレットリフト … 25,600円
  • テスリフト … 29,600円

1本1万円弱と聞くと安く感じますよね。でも罠はここです。同院のよくある質問には『片側3本~7本程度の方が多いです』『しっかり引き上げるためには片側5本以上がオススメです』と書いてありました。適正本数も部位別に示されていて、フェイスラインは片側3〜6本、中顔面(法令線)は片側2〜4本、あご下・エラ下は片側2〜3本。

片側5本なら両側で10本。一番安いプリマリフトで計算しても10万円弱です。同じ料金表の4本セットは通常価格でプリマリフト38,400円、VOVリフト70,400円、シークレットリフト95,680円、テスリフト118,400円。8本ならこの倍になることもあります。

つまり現実的な比較はこう。ハイフ全顔28,800円 対 糸リフト8本で10万〜20万円台。1回の値段では、だいたい4〜7倍の開きがあります。……で、ここで終わる記事が多いんですが、私はこの比較を信用していません。理由は次で。

「1年でいくら」に直した瞬間、私の中の順位が入れ替わった

ハイフは効果が消えます。公式にも『効果持続期間は3ヶ月〜半年程が目安』『最短3ヶ月~6ヶ月程度での施術を推奨』とある(2026年9月7日確認)。続ける前提なら1回の値段で比べても意味がない。年に何回×いくら、で見ないと財布の実感に合いません。

公式に書かれた目安をそのまま掛け算すると、こうなりました。

  • ハイフ全顔28,800円を半年に1回 … 年2回で57,600円(月あたり約4,800円)
  • ハイフ全顔28,800円を3ヶ月に1回 … 年4回で115,200円(月あたり約9,600円)
  • 糸リフト(VOVリフト4本・通常価格70,400円)を1年に1回 … 年70,400円(月あたり約5,900円)

1回だけ見れば2.4倍差。1年で見ると、ハイフを3ヶ月ごとに通うより糸リフト年1回のほうが安い、という逆転すら起きます。「糸リフトは高いから無理」と最初から候補から外していた私は、この電卓を叩いて初めて候補に戻しました。これ、地味にデカいんです。

ただし正直に言っておきます。この掛け算は公式に書かれた目安を機械的に並べただけのもので、私の実測ではありません。効果の持ちには個人差があり、何本必要かはたるみの状態を診た医師の判断になります。私の計算を鵜呑みにしないでください。

男の生活で本当に困るのは、値段じゃなく「術後2ヶ月の予定」だった

ここが、女性向けの比較記事には出てこなかった部分です。糸リフトの術後の過ごし方(同院公式・2026年9月7日確認)を読んでいて、私は3回「うっ」となりました。

1. ヒゲ剃りをどうするか

公式の一覧には洗顔が『当日から可能です。(頬などに針穴ができる場合は翌日以降推奨)』とあります。針穴が空いた頬に翌朝いつも通りT字カミソリを当てられるかというと……正直、私は無理だと思いました。毎日ヒゲを剃るのは男性側の事情なので案内には書かれていません。カウンセリングで自分から聞くしかない項目です。

2. 歯医者に2ヶ月行けなくなる

これが一番の伏兵でした。『歯科治療 大きく口を開ける施術は2カ月間お控えください』。虫歯の治療やクリーニングを予定している人は、糸リフトの日程を先に決めてしまうと困ります。40代、だいたい歯医者の予約は入っているものです。

3. 風呂とジムが1ヶ月単位で止まる

『入浴は1週間後から』『激しいスポーツは1ヶ月後から』『飲酒・喫煙は1週間お控えください』。サウナ好き、筋トレ習慣あり、飲み会は断れない。この三拍子が揃っている同世代なら、糸リフトは繁忙期を外して計画する施術だと考えたほうがいいです。

対してハイフは、公式の詳細情報で腫れは『なし※個人差があります』、麻酔は『必要なし』。術後の注意も『紫外線の影響を受けやすくなるため、保湿とUVケアを十分に行ってください』が中心です。ただし『フェイスラインやアゴ下に筋肉痛のような鈍痛を感じることがあります』とも。ゼロではない、ということですね。

術後の朝のひげ剃りを見直す

先に整えておくべきは、化粧品より「毎朝のヒゲ剃り」だと思った

どちらを選んでも、術後の顔は刺激に弱くなります。ハイフなら紫外線と乾燥、糸リフトなら針穴と内出血。そこに毎朝のヒゲ剃りが加わるのが、男性の術後の実態です。だから私は、施術を予約するより先にシェービングを肌にやさしい方法に変えておこうと決めました。

そのために用意しておこうと思っているのが、シック ハイドロ スキンディフェンス シェービングジェルフォーム 199g です。缶から出したときはジェル、肌の上で泡に変わるタイプで、パッケージにも敏感肌向けと明記されています。選んだ理由は単純で、術後に足したいのは「すべり」であって「摩擦」ではないから。楽天市場のサンドラッグe-shopで確認した価格は610円(税込・2026年9月7日確認)でした。

向くのは、電気シェーバーではなくT字カミソリ派で、施術後もヒゲを剃らないわけにはいかない人。逆に、施術直後にそもそも刃を当てていいかどうかは製品の問題ではなく医師の判断です。針穴や内出血が残っている部分に無理に当てない、赤みやヒリつきが出たら中止する。ここは商品でどうにかする話ではないので、必ずカウンセリングで確認してください。

「モニター価格」で即決しかけた私が、いったん手を止めた理由

料金表には、モニター価格やキャンペーン価格も併記されています。糸リフトならプリマリフト1本がモニター価格5,000円、通常価格9,600円に対してキャンペーン価格8,160円(2026年9月7日確認)。安いほうを見た瞬間、正直「今日決めてもいいかも」と思いました。

そこでブレーキになったのが、国民生活センターが2023年8月30日に公表した『増加する美容医療サービスのトラブル』でした。同資料によると、美容医療サービスに関する相談は『年々増加傾向にあり、2022年度は3,000件を超え、過去5年で最多になりました』。年度別では2018年度1,980件、2021年度2,767件、2022年度3,709件と推移しています。

しかも相談事例に、まさにこの施術の話が載っていました。『美肌治療のカウンセリングを予約したがリフトアップのモニター契約を勧められた。顔が少し腫れる程度と聞いて施術を受けたが、ひどく腫れてしまい、支払いに納得できない』。

同センターのアドバイスも明快です。『今すぐ施術が必要だと不安をあおられたり、モニター契約等を勧められても、その場で契約・施術をしないようにしましょう』『施術前にリスクや副作用の確認をしましょう』。窓口として消費者ホットライン『188(いやや!)』番も案内されています。だから私は、カウンセリング当日は契約しないと先に決めました。持ち帰って比較して、それでも欲しければ翌週に予約する。この一手間で、たいていの後悔は防げるはずです。

私ならこう選ぶ|3つの質問で、どっちかに決まる

材料が出そろったので、決め方をまとめます。次の3つに答えるだけです。

  • Q1:3週間待てますか? 待てないなら糸リフト。イベントや撮影が控えているなら、じわじわ効くハイフは間に合いません。
  • Q2:これから2ヶ月、歯科治療・ジム・出張の予定はありませんか? ひとつでも入っているなら、今回はハイフを選ぶほうが無難です。
  • Q3:1年でいくらまで出せますか? 月5,000円までならハイフ半年ごと。年1回まとめて7万円台を許容できるなら、糸リフトも候補に入ります。

私の場合はQ2で引っかかりました。歯のクリーニングを毎年この時期に入れているので、今年はハイフから試す方向で考えています。美容医療はこれから始める側なので、まずは戻せる範囲から、というのが正直な優先順位です(AGA治療のほうも同じ理由で、これから始めるつもりで情報を集めている最中です)。

最後に、盛らずに書いておきます。ここに挙げた効果や持続期間はいずれも公式の目安で、出方には個人差があります。たるみの原因が皮膚のゆるみか、脂肪の下垂か、骨格の変化かで最適な施術は変わるので、気になる場合は必ず医師に相談してください。

次に調べること

次に確認するのは機種名と施術者です。ハイフなら機械の名前(同院は『ウルトラセルQ+』『LINEAR Z』を使用と公表)、糸リフトなら糸の種類と本数。そして誰が照射・挿入するのか。同じ「ハイフ」でも、医療機関の医療行為とエステの機器では中身がまったく違います。

私はまず近所の2院にカウンセリングだけ予約して、機種名・本数・総額・術後の制限を同じ質問票で聞いてくるつもりです。答えが並べば、たぶん値段以外の理由で決まる。そう思っています。