正直に言います。最近、エレベーターの鏡に映った自分の横顔を見て、ちょっと固まりました。あごの下がもったり。今年40歳。体重はほぼ変わってないのに、輪郭だけが一足先に年を取っている感じです。
で、夜な夜な調べて行き着いたのが糸リフト。『切らない』『その日に上がる』と聞くと、男でも一瞬ぐらっときますよね。ただ、調べるほど分からなくなる。PDO?PCL?何本入れる?仕事は何日休む?
私はまだ受けていません。これから受けるかどうかを決める側です。だから口コミは脇に置いて、クリニックの公式ページだけを読み込みました(すべて2026年9月15日に確認)。男の生活に当てはめると、女性向け記事には出てこない落とし穴が見えてきたので、順番に共有します。
糸リフトは男性にも効果ある?まず仕組みを30秒で
糸リフト(スレッドリフト)は、コグと呼ばれる小さなトゲの付いた医療用の糸を皮膚の下に入れて、下がった脂肪を引っかけて持ち上げる施術です。レーザーや超音波みたいに「熱で縮める」のではなく、物理的に吊るイメージ。
湘南美容クリニックの公式ページには、ハイフとの違いがこう書かれていました。『ハイフは徐々にリフトアップ効果が出るのに比べて、糸リフトは皮下組織に糸を挿入することで、物理的に脂肪を引き上げます。そのため、施術直後からリフトアップ効果をすぐに実感いただくことができる治療です』。
仕組みそのものは性別で変わりません。つまり「男性にも効果はあり得る」。ただ、ここは盛らずに言いますね。どれくらい上がるか、どれくらい持つかは個人差がかなり大きい。そもそも輪郭がぼやける原因が脂肪の下垂なのか、皮膚のゆるみなのか、骨格の変化なのかで、医師がすすめる施術は変わります。
じゃあ何で差がつくのか。いちばん大きいのが、実は「糸の素材」でした。
PDO・PCL・PLLA、糸の素材で「持ち」がこんなに違う
糸リフトの糸は、時間をかけて体に吸収される素材でできています。調べて初めて知ったんですが、この素材ごとに「溶けるまでの期間」がぜんぜん違うんです。ミサクリニック(院長 寺井美佐栄医師 監修)の解説ページを項目にするとこうなります。
- PDO(ポリジオキサノン)… 吸収まで約6ヶ月〜1年/効果の目安は約1年〜1年半/比較的柔らかく、なじみやすい
- PLLA(ポリ乳酸)… 吸収まで約1年半〜2年/効果の目安も約1年半〜2年/硬めで、しっかりした引き上げ力
- PCL(ポリカプロラクトン)… 吸収まで約2〜3年/効果の目安も約2〜3年/柔軟性が非常に高く、引きつれ感が出にくい
ざっくり言えば、PDOは「手頃で短め」、PCLは「しなやかで長め」、PLLAは「硬くて力強い」。一般にPCLやPLLAのほうが料金は高くなりがちです。
湘南美容クリニックのメニューで見ると、プリマリフトは『PDOと言われる医療用の吸収糸を使用』、VOVリフトは『糸の素材はPCL』と公式に書かれています。同じ院の中でも、糸の名前が違えば素材も持ちも違う。カウンセリングで「その糸、素材は何ですか?」と聞く意味、ここにあります。
ただ、ここで一つ引っかかりました。「糸が溶けたら、効果も消えるの?」
糸リフトの持続期間は「糸が溶けるまで」ではなかった
さっきの表、よく見るとPDOは「吸収まで約6ヶ月〜1年」なのに「効果の目安は約1年〜1年半」。溶けたあとも少し持つ計算です。
その理由を、湘南美容クリニックのよくある質問が説明していました。『使用する糸は体に害がなく、時間をかけて体内に自然と吸収されます。また同時にコラーゲンが生成されるので、糸が吸収された後はコラーゲンにより引き上げ効果や美肌効果が持続します』。
糸そのものが吊っている期間と、糸のまわりにできたコラーゲンが支える期間。この二段構えなんですね。ちなみに同院のページには「何年持つ」という具体的な数字は見当たりませんでした。数字はクリニックや素材ごとの目安で、生活習慣や加齢のスピードでも変わります。「2〜3年持つ」を約束として受け取らないほうが、あとで凹みません。
素材が分かったら、次は財布の話です。ここで多くの人が「1本いくら」に釣られます。私も釣られました。
結局いくら?男のフェイスラインは「本数」から逆算する
湘南美容クリニックの公式料金表(通常価格・税込)はこうでした。
- プリマリフト(PDO)… 1本9,600円/4本38,400円
- VOVリフト(PCL)… 1本18,400円/4本70,400円
- シークレットリフト … 1本25,600円/4本95,680円
- テスリフト … 1本29,600円
1本1万円以下なら、飲み会2回分くらい。……と思ったら大間違いでした。同院のよくある質問には『片側3本~7本程度の方が多いです』『しっかり引き上げるためには片側5本以上がオススメです』とあり、適正本数は『フェイスライン:片側3~6本』と書かれています。
顔は左右あるので、フェイスラインなら両側で6〜12本。通常価格で掛け算すると、こうなります。
- プリマリフト6〜12本 … 57,600円〜115,200円
- VOVリフト6〜12本 … 110,400円〜220,800円
比較のために男性専門のメンズTCBも見ると、TCB小顔リフト(糸リフト)は1本13,800円、6本69,800円、8本99,800円、10本124,800円(いずれも税込)。施術の価格帯は13,800円〜239,800円と表示されていました。
同じ「糸リフト」でも、糸の種類と本数しだいで5万円台から20万円超えまで変わる。これが現実です。料金表にはモニター価格やキャンペーン価格も並んでいますが、条件付きのものもあるので、見積もりは必ず「本数×素材×麻酔などの追加費用込みの総額」で出してもらうのが安全だと思っています。
で、お金以上に男性が困るのが、この次の話です。
ダウンタイムは何日?術後2ヶ月をカレンダーにしてみた
湘南美容クリニックの公式ページでは、施術時間は約30〜50分、麻酔は局所麻酔、入院も抜糸も不要とされています。問題はその後。症状と生活の制限を、日付順に並べ直しました。
- 当日 … シャワー・メイク・洗顔OK(頬などに針穴ができる場合、洗顔は翌日以降推奨)
- 翌日 … 洗髪OK
- 〜3日目 … 腫れ・痛み・むくみのピーク
- 〜1週間 … 内出血が落ち着く。入浴OK。飲酒・喫煙はここまで控える
- 1〜2週間 … もみあげの後ろなどの挿入部がかさぶたに
- 2週間後 … パーマ・髪染めOK
- 1ヶ月後 … 口を動かしたときの違和感がなじむ目安。激しいスポーツ・フェイスマッサージOK
- 2ヶ月間 … 大きく口を開ける歯科治療は控える
同院は『ダウンタイムには個人差があります』と添えています。メンズTCBのページでも、副作用として『腫れ・痛み・内出血:1週間程度』、まれに『違和感・感染症・むくみ・しびれなど』と明記されていました。
このカレンダーを自分の予定に重ねて、私は3つ「うっ」となりました。
短髪だと、もみあげの後ろが隠れない
糸は目立ちにくい位置から入れると公式にありますが、1〜2週間はかさぶたになる。髪で隠せる女性と違って、ツーブロックの私はたぶん丸見えです。床屋の予約も2週間はずらすことになりそう。
ジムとサウナが1ヶ月止まる
入浴は1週間後、激しいスポーツは1ヶ月後。筋トレやサウナが習慣の人ほど、この1ヶ月は地味にキツいはずです。
歯医者に2ヶ月行きにくくなる
これが一番の伏兵。定期クリーニングや治療中の歯がある人は、糸リフトの日程より先に歯医者の予定を確認してください。ここ、メモしといてください。
なお、腫れのピークが3日間なので、私が受けるなら連休の初日に入れる計画にするつもりです。ただ、仕事を何日休むべきかは人によって違うので、カウンセリングで自分の場合を聞くのが確実です。
ハイフと比べて、男性にはどっちが合う?
糸リフトを調べると、必ず隣に出てくるのがハイフ(超音波の熱で深い層を引き締める施術)です。どちらが上という話ではなく、性格が違います。公式の説明をもとに、判断の軸を3つにしました。
- 効き始め … 糸リフトは施術直後から/ハイフは徐々に
- 体への負担 … 糸リフトは局所麻酔で糸を入れる施術。上のとおり生活の制限が1〜2ヶ月続く
- 向きやすい場面 … 近々の予定に間に合わせたい・物理的に持ち上げたいなら糸リフト寄り。生活を止めたくない・まず軽めから試したいならハイフ寄り
両方の費用を1年単位で比べた話は、Bi-Labの別記事「ハイフと糸リフトを比較|メンズのたるみは費用と1年総額で選ぶ」にまとめています。ここでは、糸リフトに絞って「向く人・向かない人」を先に決めてしまいましょう。
糸リフトが向いている男性、いったん待ったほうがいい男性
公式ページの「こんな方におすすめ」と術後の制限を、男の生活に置き換えるとこうなりました。あくまで検討の入口で、最終判断は医師の診察です。
向いていそうな人
- 頬や口元、あご下のもたつきが気になり、切る手術には抵抗がある
- 周囲にバレにくい形で、自然に引き上げたい
- 施術後1ヶ月、ジムや飲み会を控える段取りが組める
いったん待ったほうがいい人
- 2ヶ月以内に、口を大きく開ける歯科治療の予定がある
- 1ヶ月以内に試合・大会・激しい運動の予定がある
- その日のキャンペーン価格で即決しそうになっている
最後の1つは完全に私のことです。美容医療は、いったん契約を持ち帰って比べるだけで防げる後悔が多い。だから「カウンセリング当日は契約しない」を、先に自分ルールにしました。
……と、ここまでは施術そのものの話。実は術後の毎朝にも、男ならではの小さな落とし穴があります。
術後の洗顔は「こすらない」を意識しておく
男の洗顔って、正直ゴシゴシですよね。手のひらで適当に泡立てて、顔を往復。私もずっとそうでした。でも糸リフトの術後は、洗顔は当日から可能とされつつ、針穴がある場合は翌日以降が推奨で、フェイスマッサージは1ヶ月後から。顔を強く触る動きは、しばらく封印したほうがよさそうです。
そこで、受けると決めたら先に洗面台へ置いておこうと考えているのが、キュレル 潤浸保湿 泡洗顔料 150mlです。花王の公式情報によると、ポンプを押すとそのまま泡で出てくるタイプで、『肌を強くこすらなくても洗え』る設計。消炎剤(グリチルリチン酸2K)配合の医薬部外品です。泡立てが下手でも手でこすらずに済むのが、術後の顔には合っていると思いました。楽天24 コスメ館での価格は1,760円(税込・2026年9月15日確認)。私はまだ使っていないので使用感は語れませんが、向くのは、乾燥しやすく、術後もいつもの洗顔を続けたい人。注意点として、洗顔をいつから、どの範囲まで再開していいかは施術内容で変わるので必ず医師の指示に従い、赤みやしみる感じが出たら使用をやめて相談してください。
私ならこう動く|カウンセリングで聞く5つのこと
材料はそろいました。私が近所のクリニックに行くときは、この5つを紙に書いて持っていくつもりです。
- すすめられた糸の素材は何か(PDO・PCL・PLLA)と、その理由
- 左右合わせて何本か。麻酔や薬代も含めた総額はいくらか
- 挿入部はどこか。短髪でもかさぶたは隠れるか
- ヒゲ剃り・洗顔・ジムはいつから再開できるか
- 引きつれや感染などトラブルが出たとき、どう対応してもらえるか
40歳にして、美容医療はまだスタートラインの手前です。AGA治療もこれから始めるところで、そちらも同じように「公式の数字を並べて、持ち帰って決める」でいこうと思っています。
最後にもう一度だけ。ここで紹介した持続期間やダウンタイムは各クリニックが示す目安で、効果には個人差があります。自分のたるみに糸リフトが合うのか、ほかの施術がいいのか。気になる場合は、まず医師に相談するところから始めてみてください。