ドラッグストアの育毛シャンプー売り場、正直に言うと私はずっと素通りしていました。あの棚の前で足を止めるのは、自分より上の世代の人だと思っていたので。

今年40歳。ある朝、鏡でつむじのあたりの光り方がなんか違うぞ、と気づいてしまいまして。来月からAGA治療を始めようと決めて、今はクリニックの初診待ちです。まだ薬は1錠も飲んでいません。

で、待っている間に何かできることはないのか。そう思って調べ始めたのが育毛シャンプーでした。結論から言うと、期待していたものとはちょっと違いました。ただ、無駄でもなかったんです。

育毛シャンプーで髪は生える?メンズがAGAでおすすめを探す前に

ここは盛らずに正直に言いますね。シャンプーは薬ではありません。育毛シャンプーの多くは「医薬部外品」というカテゴリで、名乗れる効能は「フケ・かゆみを防ぐ」「頭皮を清浄に保つ」「毛髪をすこやかに保つ」あたりまで。ルール上、それ以上を約束する書き方はできません。

一方でAGA(男性型脱毛症)は、体内のホルモンが関わって少しずつ進行していくタイプの脱毛。洗って流すものだけで止めにいくのは、そもそも土俵が違います。ここは医師の診察と治療の領分です。

じゃあ意味がないのか。調べてみて私が納得したのは、こういう整理でした。

  • 治療=ヘアサイクルそのものに働きかける本丸。医師の判断が必要
  • シャンプー=頭皮を清潔で穏やかな状態に保つ「土台づくり」
  • かゆみやフケで頭を掻きむしっている状態は、どちらにとってもマイナス

土台づくり。地味です。でも、これから何ヶ月も治療を続けるなら、地味に効いてくる部分だとも思ったんです。……ただ、その1本を選ぼうとした瞬間、私は棚の前で固まりました。

成分表のどこを見る?育毛シャンプーの成分と効果を3点だけ

パッケージの謳い文句は、どれも似たようなことばかり。見る場所を3つに絞ったら、ようやく比較できるようになりました。

① 洗浄成分(量が一番多い、実質の主役)

成分表の上のほうにある「ココイル〜」「ラウロイル〜」はアミノ酸系。洗い上がりが穏やかで、乾燥しやすい人向きです。対して「ラウレス硫酸Na」などの高級アルコール系は、さっぱり落ちる代わりに、人によっては落としすぎになる。皮脂が多いか少ないかで正解がひっくり返るところです。

② 有効成分(医薬部外品だけに書ける枠)

医薬部外品の箱には「有効成分」という欄があります。よく見かける名前を、一言ずつかみ砕くとこんな感じ。

  • グリチルリチン酸ジカリウム … 頭皮の荒れや炎症を抑える方向の成分
  • ピロクトンオラミン … フケの原因になる菌にアプローチする成分
  • サリチル酸 … 古い角質や余分な皮脂をゆるめて落としやすくする成分

③ 刺激になりうるもの(意外な落とし穴)

清涼感の強いメントールや香料は、気持ちいい反面、頭皮が敏感になっているときは刺すように感じることがあります。爽快感=効いている、ではない。ここ、メモしておいてください。

シャンプーのボトルを手に取る男性
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頭皮タイプ別|薄毛が気になるメンズの市販シャンプーの選び方

成分の見方が分かっても、まだ選べません。最後の分かれ道が頭皮のタイプでした。自分がどれかを決めてから棚に行くと、候補が一気に3分の1くらいに減ります。

  • 脂性タイプ … 夕方には髪がぺたっとする、枕がにおう。洗浄力しっかりめ+皮脂対策の有効成分
  • 乾燥タイプ … 洗った直後からつっぱる、細かい粉状のフケ。アミノ酸系で保湿寄りに
  • かゆみ・湿ったフケが出るタイプ … 菌対策の成分入りを。長引くならシャンプー選びより先に皮膚科へ

私は完全に脂性タイプでした。夏場、昼過ぎには前髪が束になっている自覚があったので。ここが決まっただけで買い物がだいぶ楽になりました。

結局いくら?市販とスカルプ系の値段を正直に

ここも気になりますよね。店頭とネットで見た限り、ざっくりこの幅でした。

  • ドラッグストアの薬用スカルプ系 … 1本1,000円前後
  • ブランド系のスカルプシャンプー … 1本4,000円前後

4,000円と聞くと、シャンプーにしては高い。でも1本で2〜3ヶ月もつとすると、1日あたり50円前後です。缶コーヒーの半分。そう言い換えると、少し見え方が変わりました。もちろん、安いほうが続けやすいのも事実ですが。

私が最初の1本に選ぶなら、これかなと思っています

ここまで調べたうえで候補に残したのが「アンファー スカルプD 薬用スカルプシャンプー オイリー 350mL」でした。選んだ理由は3つ。医薬部外品として有効成分(ピロクトンオラミン、グリチルリチン酸ジカリウム、サリチル酸)がはっきり書かれていること、脂性肌用・乾燥肌用と頭皮タイプで種類が分かれていること、そしてノンシリコンであること。向いているのは、私と同じで夕方に頭皮のベタつきが気になるタイプの人。逆に、洗うとつっぱる乾燥寄りの人は、同じシリーズでも別タイプを選んだほうがいいはずです。価格は4,000円台と決して安くないので、まずは1本試して合うかどうかを見るつもり。念のため書いておくと、私はまだ使い始めていません。かゆみや赤みが出たら我慢せずに中止して皮膚科へ、と最初から決めています。

AGA治療と併用するとき、私が気をつけると決めたこと

来月から治療が始まるので、シャンプーとの付き合い方も先に決めました。これから治療を始める人は同じところでつまずくと思うので、共有しておきます。

  • シャンプーの切り替えと治療の開始を同じ日にしない。何が効いて何が合わなかったのか、分からなくなるので
  • 塗るタイプの薬を処方されたら、髪と頭皮をしっかり乾かしてから。使い方は必ず処方時の指示に従う
  • 排水口の抜け毛を毎日数えない。日によって上下するので、月単位でゆるく見る
  • 診察のときに「今このシャンプーを使っています」と伝える。頭皮を見る側には情報になる

そして大前提として、効果の出方には個人差があります。合う合わないも人それぞれ。頭皮に赤みやかゆみが出たとき、抜け毛が急に増えたと感じたときは、自己流で粘らずに医師に相談してください。私も初診で聞くつもりです。

まとめ

育毛シャンプーは、AGAを止めてくれる薬ではありません。そこさえ勘違いしなければ、頭皮を穏やかに保つ「土台」として十分に役に立つ存在だと思います。

選ぶときは、洗浄成分・有効成分・刺激になりうるものの3点を見て、自分の頭皮タイプに合わせる。値段は1日あたりに換算して、続けられるラインを選ぶ。それだけで、あの棚の前で固まる時間はかなり減ります。

私は来月、いよいよAGA治療のスタートラインに立ちます。40歳からでも遅くないのか、正直まだ半信半疑です。ただ、待っている間にできることが見つかっただけで、気持ちは少し軽くなりました。同じところで迷っている人の、棚の前の数分が短くなればうれしいです。